上から見て真四角の間取りで総2階(1階と2階の床面積が同じ)が安くつく理由
家のイメージ
家のイメージというと、こういうイラストを思い浮かべるかもしれませんね。
家と言うと、かんたんにはこんな感じですが、まったく同じ床面積で同じ材料を使ったとして
こういう感じのデコボコしたつくりだとどっちが金額的に高そうですか?
そうですね。(答えてもらったと仮定して読み進めてください。笑)
やっぱり後者のデコボコしたつくりのほうがお金がかかるんです。
同じ床面積で同じ材料で作ったとしてもデコボコした形のほうがお金ってかかるんですね~~。
真四角で総2階の家
タイトルにもあったように上から見て真四角の間取りで総2階(1階と2階の床面積が同じ)の家のほうが金額的に安くつくんです。
だから建売住宅や、規格住宅ではそういうかたちの家がよくあるんですよ~。
ではなぜ安くつくのか?という理由をあげてみますね~。
①外壁面積が減るから
真四角な家(上)と、デコボコの家(下)の平面形状を見比べてみましょう。
面積はどちらも同じ大きさの家です。
真四角の家が1階49㎡+2階49㎡=98㎡で、デコボコの家も1階49㎡+2階49㎡=98㎡です。
しかし、外壁の長さが違います28mと、35mで違いますね。
ってことは単純に、真四角の家(上)はデコボコの家(下)よりも外壁面積が20%減ですよね。
例えば200万かかっていた外壁が、20%減の160万円で済むという計算だと、40万円のコストダウンってなわけですね。かんたんにいうと。
つまり真四角の家は、外壁面積が少なくなるので価格や安くなるいうことなんです。
②屋根と基礎の面積が減るから
また、同じ床面積の家でも、総2階の家(上)と部分2階の家(下)では、屋根と基礎の面積がぜんぜん違います。
総2階の家が1階49㎡+2階49㎡=98㎡で、部分2階の家が1階70㎡+2階28㎡=98㎡です。
しかし屋根と基礎は、総2階の家が49㎡ですが、部分2階の家は70㎡になります。
ってことは単純に、総2階の家(上)は部分2階の家(下)よりも屋根と基礎の面積が30%減ですよね。
例えば400万かかっていた屋根と基礎が、30%減の280万円で済むという計算だと、120万円のコストダウンってなわけですね。かんたんにいうと。
つまり総2階の家は、屋根と基礎の面積が少なくなるので価格や安くなるいうことなんです。
③出隅入隅が減るから
他にもよく見るとデコボコの家だとコーナー(角。専門用語で言うと出隅・入隅)が多くなっていますよね。
↑これがいわゆるコーナー部分。
これって屋根も外壁材料もコーナーの部材があって、その材料費がかかったり、下地を組んだりするので、材料・手間も増えてしまうんです。このコーナー材は値段が高めになりますし。
逆に真四角の家だと減ることにより、大きな面で外壁をバンバンはっていけるので効率がよくってコストダウンにつながるわけなんですね~。
④作るのが単純だから
そして真四角で総2階の家のほうが、部分2階でデコボコの家よりも作るのが単純です。
単純ということは、職人さんの手間がかかりにくいということ。
職人さんの手間がかからないので施工費が安くつきやすいとも言えます。
そして、こういう形状の家では間取りがパターン化されます。同じパターンであればあるほど大量生産できますし、大量生産すればするほどまた価格は抑えられるわけです。
ただし間取りに制限が出る
ということで、総2階の家で真四角な箱型の家の方が価格が安くなる傾向があるので、そうしましょう!という単純な話ではありません。
当然間取りに制限が出てきちゃうので一概には言えないんですね。
敷地にうまく入らない、部屋数は足りてるけど間取りが使いにくい(1階に水回りを増やしたり主寝室を持っていきたいのにできない・・・など)、デザインが画一化されやすいなどというデメリットがあります。
※コスト以外に総2階で真四角の家のメリットも温熱損失の面で有利な点もありますがここでは割愛します。汗
最後に
ちなみにうちのリラシオネスの価格表はこの真四角総2階の家での価格となっています。(そうしないと逆に価格を決めることが難しいので)
しかし自由設計の注文住宅だからこそ、全てそう当てはめるわけにもいかず、真四角総2階の家はほとんど建てていません。
もちろん総2階で真四角の家がそのご家族にとっていい間取りになればいいのですが、そうでない場合に無理やりこうするっていうのでは後悔する家づくりになってしまうかもしれませんからね。
そうならないようにうまくバランスとって設計していきましょうね~。
~今日の体重=91.2㎏(-0.7)~
篠原秀和(シノハラヒデカズ)ニックネームはシノハラ(カタカナで。笑)
株式会社あめりか屋 代表取締役
一級建築士・住宅ローンアドバイザー
1977年6月23日生まれ
福井県敦賀市在住
2000年に日本大学卒業後、20代の頃は大手ゼネコンにて設計職と施工管理職を経験し、あめりか屋3代目として2007年から勤務。2011年頃から本格的に住宅事業を担当するようになり、業務は営業というか楽しいステキなお家づくりのプロデューサーをしています。
また自身のブログは2013年4月から毎日更新中。
・・・というマジメな仕事ぶりとはまた違った一面を持っていて、SNS(Instagram、twitter、Youtube、Facebook、TikTok)では楽しくてクスっと笑える投稿を日々発信中。ぜひフォローしてやってください。