マンションの傾き問題をビー玉で試してみるのは正しいの?
こんにちは!福井県敦賀市の建築会社あめりか屋の失敗しない家づくりアドバイザーの篠原秀和です。
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マンションが傾いた問題
またマンションが傾いた問題が発生しましたね。その問題についてぼくは以前ブログに買いていました。
横浜三ツ沢のマンション(パークスクエア三ツ沢公園)が傾いた問題は意外と身近な話だった件
↑このときの原因と、今回の旭化成建材さんの件はちょっと違うみたいだけど。
たまたま検索してこのブログを読んだめざましテレビの人からぼくに電話がかかってきたくらい。ここ数日はかなりアクセスも多いですし。みなさん注目されてるみたいですね~。
ただ単純にぼくら同業者にとっては、ちゃんとやってても同じように疑われるから、はっきり言って「いい迷惑」です。どうせまた法的にこのようなことが今後ないように縛りをきつくするとかそんな話になるので。既にああいう問題が起きると企業的リスクがハンパなくあるので。
でも、一般の方にとっては、自分の住むマンションが同じように傾いているのではないか?欠陥住宅なんじゃないか?と心配になる人もいるかもしれません。
ということで、そんな不安に感じているかもしれないあなたのために、一級建築士で大手ゼネコンで構造設計と現場施工管理経験を持つぼくちゃんが検証してみましょう!!
ビー玉を転がしてみると分かるの?
まずこういう時によくあるのがビー玉を転がすってやつ。昔テレビで欠陥住宅をあばく的な番組でよく見ましたよね~。
↑ビー玉ってどこで買っていいか分からなくて結構探したよね。笑
ビー玉が転がれば欠陥?ってことでしょうか?
傾斜は何ミリまで許容されるのか?
そもそも床の傾斜は何ミリまで許容されるのかご存知ですか?
国の基準によると・・・
3メートル程度以上の距離で、3/1000未満の勾配の傾斜であれば、「構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が低い」とされています。
ということで、実際に3/1000(1mで3mm)の傾斜を作ってみました。
↑最新鋭傾斜機器です。笑
床板と同素材の物で、傾斜は3/1000程度。
(精度とかいろいろとツッコミどころありますが、とりあえずそこは置いといてください(笑)そこがお伝えしたいところじゃないので)
ビー玉を置いてみた
さぁ、じっさいにビー玉を置いてみましょう!
すると
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↑置き方によっては転がるビー玉もありました。(赤色は転がらず、黄色は転がった)
実験の結果、傾斜の許容値である3/1000でもビー玉は転がる場合があった。というわけです。
このとおり、ビー玉が転がるから不良建築だ!欠陥だ!とは限りません。グリングリンにすぐ転がったらまた別ですけどね。笑
水平なものはない
そもそもですが、建築物に完璧に水平ってものはありません。ほぼ水平というものはあっても。
不陸、乾燥収縮、施工誤差などいろんなことが影響しますので、誤差0mmというのはありえないんです。だから国の基準で3/1000までの誤差を認められているわけです。
さらに内装じゃなくて外の床はそもそも水平なものはありません。不陸、乾燥収縮、施工誤差に加えて、雨・水を流すために意図的に傾斜がつけられていますからなおさらです。(外でビー玉とかぜんぜん無意味ですからね~笑)
つまり、全く誤差の無い、完璧に水平なものっていうのはないんです。そもそものこの前提は無視したらダメなんですけど、誰もこれを言ってくれない。
あおる報道はけしからん
旭化成建材さんの施工ミスはあってはならないことです。データの操作(隠ぺい)がなされていたわけですから。
でも、このような欠陥があるマンションでも、今後もさらに沈下が進むとは言い切れませんし、地震の時にリスクが大きく高まるというほどのものでもないでしょう。
なのに、全国のマンションに住む人を不安にさせる報道。旭化成建材さんだけじゃなく、その他の杭施工会社、そして多くのゼネコンを疑ってかかれ!と言わんばかりの報道。
「あおる報道」はけしからん!というわけです。
最後に
同業者として、このような作為的な施工ミスが起きたというのは残念です。
なぜ起きたのか?という原因を追及していくと、強烈な値切り交渉、安い金額での請負、短い工期、技術者不足、モラルの欠如などいろいろと考えらることでしょう。業界的にさまざまな問題を抱えているのは事実です。
しかし、そもそもの建設業に携わるものとして、みんなでいい仕事をしていこうという姿勢を大切にしたいですね。誰かを厳しくしめつけたり、悪者にしたり、疑ったりしてやっていくのではなく。
ゼネコンの仕事って、とても素晴らしいものづくりの夢のある仕事なんですから。
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~今日の体重=84.8kg(+0.1)~
篠原秀和(シノハラヒデカズ)ニックネームはシノハラ(カタカナで。笑)
株式会社あめりか屋 代表取締役
一級建築士・住宅ローンアドバイザー
1977年6月23日生まれ
福井県敦賀市在住
2000年に日本大学卒業後、20代の頃は大手ゼネコンにて設計職と施工管理職を経験し、あめりか屋3代目として2007年から勤務。2011年頃から本格的に住宅事業を担当するようになり、業務は営業というか楽しいステキなお家づくりのプロデューサーをしています。
また自身のブログは2013年4月から毎日更新中。
・・・というマジメな仕事ぶりとはまた違った一面を持っていて、SNS(Instagram、twitter、Youtube、Facebook、TikTok)では楽しくてクスっと笑える投稿を日々発信中。ぜひフォローしてやってください。