新国立競技場問題の5つの論点(前編)
今日からJCで横浜に行ってきます、福井県敦賀市の建築会社あめりか屋の失敗しない家づくりアドバイザーの篠原秀和です。
☆あめりか屋施工事例←ぜひごらんくださいね☆
新国立競技場が揉めに揉めている
ここ最近のマスコミの話題は「安保法案」と「新国立競技場」ですよね。安保法案についてこのブログでアツく語るつもりはないのですが、一級建築士で大手ゼネコンに勤めていた経験を持ち、今は地方の建築会社を経営しているぼくちゃん(笑)だからこそ、この新国立競技場については何度もアツく語ってきました。
約2年前の2013年11月の記事:新国立競技場はどうなることやら・・・
約1年前の2014年6月の記事:新国立競技場の基本設計案が承認された件
ということで、2年前からぼくは注目していたこの問題。簡単にまとめて、5つの論点にしぼってみました。
①デザインが周囲と違和感があるという意見
②総工事費が当初よりもはるかにオーバーしている(当初1300億⇒現時点2520億)
③そもそもなぜ建て替えしたのか?
④国?東京都?どこが財源確保する?
⑤工期が間に合わない
それぞれぼくの意見を書いてみたいと思います。
①デザインが周囲と違和感があるという意見
当初のザハ案はこれ。
↑国際コンクールで採用された英国人女性建築家ザハ・ハティド氏の設計
お金がかかる・大きさなどの理由で修正された設計がこちら。
↑これはよく見ますよね。
これならまだ最初のザハ案のほうがよかったわ!という意見が多数。汗
あの神宮外苑に似合うような、もっと周囲の環境に調和したデザインがよかったけど、最初のコンペからの変更案だからこういうことになるんでしょうね・・・。
②総工事費が当初よりもはるかにオーバーしている
まず最初に予算を立てたのが2012年の民主党政権(←これも結構問題視されている)の頃、ザハ案のデザインで1300億と試算されたそうです。
しかし、2013年の10月(ぼくの始めに書いたブログの時期)に、こんなもの1300億で建てられないことが明らかになり、2014年5月(ぼくの2回目に書いたブログの時期)には、設計を大幅に変えて基本設計した結果1600億となったとのこと。
この時は「これで予算に近づいたし、批判はあれど、この設計で落ち着くだろう」とみられていたけど・・・なんと最近2015年7月にはこの設計でも2520億になるっていう話じゃありませんか!!!
しかも昨日(7/16)、審査委員長の安藤忠雄さんが「そんなにお金かかるなんて分からなかった。ゼネコンはもっとがんばれよ。」というようなことを言いだしたもんだから、もうめちゃくちゃです。
現在の職人不足・物価上昇による建設コスト上昇傾向もありますが、そこまでふくれあがった工事費というのは、そもそも最初のザハ案を採用した時の見通しが甘かったと言わざるを得ないでしょうね。
しかし事実としてしっかりと時間を取って積算しない限り、最初のザハ案を見ただけで「う~んこれって1600億円、いや、2500億円」だねぇ~・・・って誰も分かりません。それは大手ゼネコンの熟練した積算者でも分からないこと。安藤さんは有名建築家だけど「分からなかった」というのも、ある意味しょうがないこと。このぼくも分かりません。(←そりゃそうか。笑)
ただ、安藤さんなり責任ある誰かが「これは検証が必要だ!時間を取ってコスト試算をしっかりやろう!」と言いだせばここまでの話にならなかったと思います。(いろんな絡みがあって難しいことがあるんでしょうけどねぇ。こういうのはオモテに出ないウラ話がたくさんあるもんですから。)
③そもそもなぜ建て替えしたのか?
そもそも総工事費が1600億でも2520億でも高すぎるという意見が多数ありますよね。だって埼玉スタジアムで400億ですから。(←施工はぼくの前の職場の鹿島建設の先輩が担当していました)
そんな意見もあり、なぜ建て替えする必要があったのか?昔の国立競技場を改修すれば良かったんじゃないの?という意見も出ています。(今となってはもう取り壊ししたので、水掛け論ですが)
周囲の環境にも適していて、改修であれば費用もそれほどまでにかからないという見方からの意見でしょう。
しかし、ぼくはこういう見方もできると思っています。
まずはオリンピック誘致の切り札としてのこの新国立競技場があったはずです。2009年に2016年オリンピック誘致に失敗したその教訓があり、8万人規模のスタジアムが世界標準の中、旧国立競技場の改修ではその条件は満たせず、新しく建て替えたこの新国立競技場が誘致の条件だったということ。
そして屋根があることで、お客さんが入りやすくて騒音問題も軽減されます。それによって有名アーティストのライブなどで施設が収益を生み、維持費を確保していくという狙い。
そんなさまざまな経緯や意図があるそうです。だから「なぜ建て替えしたのか?」という意見は全く無意味だと思います。
参考:鈴木寛さんのコラム:「やはり「屋根」は必要!新国立競技場に関する誤解を解く」より
ということで、長くなってきましたので、④国?東京都?どこが財源確保する?と⑤工期が間に合わないの続きは
でお送りしますね。笑
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~今日の体重=83.3kg(-0.1)~
篠原秀和(シノハラヒデカズ)ニックネームはシノハラ(カタカナで。笑)
株式会社あめりか屋 代表取締役
一級建築士・住宅ローンアドバイザー
1977年6月23日生まれ
福井県敦賀市在住
2000年に日本大学卒業後、20代の頃は大手ゼネコンにて設計職と施工管理職を経験し、あめりか屋3代目として2007年から勤務。2011年頃から本格的に住宅事業を担当するようになり、業務は営業というか楽しいステキなお家づくりのプロデューサーをしています。
また自身のブログは2013年4月から毎日更新中。
・・・というマジメな仕事ぶりとはまた違った一面を持っていて、SNS(Instagram、twitter、Youtube、Facebook、TikTok)では楽しくてクスっと笑える投稿を日々発信中。ぜひフォローしてやってください。